ドイツ、暮らしてみたらこんなトコ

ドイツ暮らし17年目。今更ながらのあれこれ

学校の夏休みが始まる前に仮病使って遊びに出かける奴ら

私が暮らす州でも来週から6週間もの学校の夏休みが始まる。北ドイツの幾つかの州では既に夏休みに入っていて、州によって夏休みの時期がズレている。

この週末、お泊まりに来ていた娘のお友達も含めて食事していたとき、お友達がこんなことを言った。

”〇〇ちゃんの家では、学校には病気とウソついて、毎年夏休みが始まる前の木曜日からもう出かけるんだよ。

夏休みは月曜日から始まるので、前週の木・金の二日間、仮病を使い、家族で休暇に出かけるというのだ。

 

そういうことをする非常識な親がいることは、以前から娘を通じて耳にしていた。

例えば、スキーに行くため、仮病を使って公式の休みより数日早く休みに入るとか、週末ベルリンに遊びに行って、やっぱりあと一日いたいから月曜日にベルリンから学校に電話してきた、とか。

義務教育過程では学校を欠席する場合、後日でもいいので、保護者が担任宛に欠席理由を手紙に書く。更に、当日休みの場合は、朝学校の事務局に電話を入れる。仮病を使う家族も、当然ながら”病気のため欠席”と手紙を書くはず。貰った先生だって、アホじゃないから、”こりゃ怪しい。さては、Urlaub(休暇)に出たな”とバレバレのはず。

6週間も休みがあるのに、1-2日早く遊びに出かけたいなんて理由が通る訳ない、て普通思いますよね。

もっとも、最後の数日は本気の授業はしないので、休んだって勉強に遅れることはないし、宿題も出ないので、困ることはない。だからといって、仮病を使ってまでフライングで休暇に出てOKなのかとモラルの問題だ。こういう親の元で育った子供が親になった時にも、同じ事をするだろう。

ドイツの場合、このような非常識なことをする親が、必ずしも外国人や低所得層ではないということに驚く。意外にも社会的に恵まれた職業に就いている人がそういうことをする。例えば母親自身が医者とか。

問題は親だけではなく、仮病使っても問題なしと思わせる学校側にもある。毅然とNo!と言わないことが不思議だ。

だったら、私だって娘を連れて学校が一斉に休みになる前に日本ヘ出発したいさー(本音が出た)!それでなくとも、現在空港は大混乱なんだから。

 

非常識なことをすると周囲から冷たい目で見られ、そういうことをする人とレッテルを貼られる日本に対して、ドイツではそこまでおとがめを受けないのだと思う。だから、個人の意思決定が尊重される。例え、それが多少非常識だったとしても。