ドイツ、暮らしてみたらこんなトコ

ドイツ暮らし17年目。今更ながらのあれこれ

犬が放置されていると、心配してピンポンする通りすがりの人

我が家の下に住んでいる老犬ゴールデンレトリーバー(16才)。

夏に自力で立ち上がれなくなって以来、更に老いが進んで、殆ど歩くこともできなくなり、ずっと横たわっている。そして、家にいると外に行きたくて吠える、外にいても吠える。気温も天気も関係なく。夜中も寝ないで騒ぎ出す。飼い主の女性はいつも疲れた顔をして、どうしてあげたらいいのか判らないと、お手上げ状態のようだ。

そんなワンコは、家の玄関前が自分の場所だと思っている。日が落ちてからもワンコは一人で(一匹で?)リードなしで外に放置されている。時には歩道に出て、横たわって寝ているか、じっと座って通る人や車を眺めている。

近隣住民は皆ワン子の事情を知っているので、”またワンコいる”くらいしか思っていない。ところが、偶然通りかかった事情を知らない人はびっくりする。寒空の下、白いゴールデンレトリーバーが暗闇に浮かび上がってるから。

 

昨日と一昨日に同じことが起こった。

夕飯の時間帯に、ピンポーン♪と、うちのブザーが鳴った。見ると、知らな玄関に立っていて、同じことを聞く。

”犬が一人で外にいるけど、大丈夫ですか?”

 

ドイツは動物愛護の人が多い。だから、他人の家のブザーを押してでも、大丈夫ですか?と心配で尋ねてくる。事情を簡単に説明すると、聞いた人は少し安堵して帰って行く。

(というか、ウチの犬じゃないんですけど・・・)

 

別の日にはたまたま通りかかった人から、”この犬、死んでない?”とちょうど居合わせた私が聞かれたこともあった。ワンコが外でびくともせずに寝ているから、そう思うのも無理もない。

 

ワンコは一人でお留守番ができないので、飼い主の女性は日用品の買い物には犬に連れて行き、車中においておく。これまでは車中での留守番はお利口にしていたが、最近は車内でも吠えて騒いでいるらしい。そして、駐車場でそれを偶然見た人から、買い物を済ませ戻ってきたところ注意を受けた、と飼い主は悲しい顔をして、私に話し聞かせてくれた。彼女は何しても落ち着かない愛犬に、にっちもさっちもいかない状態におかれていて、それを通りすがりの他人は知らない。

 

これを書いている今でも、下からワンコの吠え声が聞こえてくる。上に住んでいる私たちはもうすっかり慣れて、日常音になってしまった。

 

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(イメージ)