ドイツ、暮らしてみたらこんなトコ

ドイツ暮らし17年目。今更ながらのあれこれ

中古ピアノを買う

娘が2才の頃、YAMAHA電子ピアノ(Arius)を買って以来、たまにポップスや簡単なジャズを弾いたり、娘のヴァイオリンの伴奏をつけてきた。ネットで楽譜を見つけては適当に弾いていたが、そのうち、唯一持っていた楽譜本から子供の頃に習ったバッハやモーツアルトの曲を弾き始めた。この楽譜がなかったら、私はこの年で再びクラシックピアノを学ぶことはなかったかも知れない。

その楽譜は、電子ピアノを買った時に一緒についてきたYAMAHAの「50 greats for the Piano」(非売品)だ。

この楽譜の選曲がなかなかよい。難度が異なる珠玉の名曲がずらりと連ねている。さすがに佐賀の漁師さんのようにリストの難曲「ラ・カンパネラ」を弾くことを目標にしようとは思わなかったが、このくらい弾けたらいいだろうな、と思うような中級レベルの美しい曲(ショパンやドビュッシーなど)が掲載されている。

更に、プロが弾くこれら50曲がピアノに内蔵されているので、楽譜を目で追いながら、まるで目の前でプロが弾いてくれているような感覚で聴けるし、一緒に片手だけ合わせることもできる。

こうして8年間も自分でピアノを弾いてきて、ついに一年半前からはきちんと先生について習い始めた。

先生に習い始めてからは、電子ピアノでは全然足りなーい!、柔らかい音やLegatoができなーい!と不満が募り、今年に入り真剣にアップライトピアノの購入を検討し始め、春までに買うことを目標としていた。家族は全面的に賛成した訳ではなかったが、電子ピアノを売るという約束でしぶしぶ承諾を得た。

3月初のある日、隣の州のピアノ屋さんまで見に行く予計画だったが、急にロックダウンになってしまいピアノ探しは一旦中断。5月中旬ロックダウンが緩和されると、夏休みまでにピアノがほしい!という気持ちが再び盛り上がり、ebay kleine Anzeige (ebayの場所限定で検索できる売買)で見つけた、個人宅の中古ピアノ2台と地元楽器屋さんの中古ピアノ1台を見た。

ドイツ製とYAMAHAに限って探していて、個人のお宅ではドイツ製Schimmelとチェコ製を見させて貰った。チェコのピアノはエライ安くて、近所だったので一応見学を申し込んだ。しかし、このピアノを弾いた瞬間に「こりゃ、ない・・・」と悟った。キンキンした鋭い音だったから。

そして、3軒目の楽器屋さんで、あるドイツ製の中古ピアノで音を出した途端、

  ビビビっ、これだ!

まろやかな包み込むような優しい音♪

このピアノが私を待っていた、と確信。服を買うのに時間がかかる私が、珍しく全く迷うことなく即決!

今まで生きてきた中で一番高価な買い物だけど、仮にこの先、同じ値段のピアノ10台を見ても、結局このピアノを選ぶだろうと自信があった。予算はオーバーしたが、持っていた電子ピアノを500Euroで楽器屋さんが買ってくれることになり(\(^o^)/)、差し引いて支払うことになった。

それがこちら

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Wilhelm Steinberg, ドイツ・チューリンゲン州 1877年創立のピアノ工房

本当は黒がよかったのだが、黒のピアノが案外少なく、薄いベージュが多かった。これは桜(orサクランボ)の木でできていて、ご覧のとおり赤ぽい茶色。

明日ピアノがやってくる。楽しみだ~