ドイツ、暮らしてみたらこんなトコ

ドイツ暮らし17年目。今更ながらのあれこれ

ロックダウンでもドイツ人が落ち着いて対応できた訳

ドイツでは3/16日から学校・大学が休校、2日後の18日に封鎖(ロックダウン)が始まり、現在4週目に入ったところだ。欧州では日本のように"自粛"や"要請"ベースではなく、"禁止"で違反者は罰金が課せられる。

感染がイタリアを中心に急速に周辺国へ拡大しそうな頃だっと思う。トイレットペーパー、衛生関連商品、マスク、パスタ、米などはスーパーやドラッグストアの棚から消えた。その時くらいかな、ドイツ人が慌てた時は。

その後何度か行動規制が段階を上げて厳しくなったが、ドイツ人は非常に落ち着いていたように思う。非常事態宣言が出された時の日本のような大きな動揺はあまり見られなかった。何故だか考えてみた。

1.日本のように"自粛"や"要請"といった中途半端なレベルでなく、もはや"禁止"だったので従うほかなかった

2. イタリアの惨状を報道で見て、今は経済や生活不便さよりも健康・安全が何よりも大事との考えを国民が共有できた

3. 在宅に切り替えやすい仕事環境

4. 元々、日曜日は飲食店を除いて閉店していたので、街がシーンと静まりかえり、店が開いていないことに慣れている

5. 元々、娯楽も少ない

6. 周辺国に比べ近隣への外出(買い物、散歩、ジョギングなど)には厳しい制限がなかったため、ある程度の自由は確保できた

7. 充実した質の高い国内医療が安心感を与えた

8. 偶然にも天気がずっとよかったので、少し気が晴れた

9. マスコミがワイドショー的な細かいことをいちいち報道しないので、余計な不安を煽らない

10.Stay Homeでも家も庭も広いので閉塞感が日本ほどない

こうして見ると、特に上記3.-5.,10.は、ドイツ人の元々のライフスタイルが、迅速に上手く適応できたと言えよう。

ただ、こんな生活が1ヶ月も続いていると、一方で小さな事で困ったことが起きているのは事実。家庭内DVも増えているらしいし(これはもはや大きな困ったことだが)。

私の場合、

・美容院に行けないので白髪が目立って恥ずかしい(けれど、他人にも会わないのでまあいいか)、

・コンタクトレンズが注文できず、たまたまあったDailyレンズを2日間使っている、

・園芸店で石灰やコンポストを調達できないので家庭菜園の準備が進まない、

・3月にピアノを買う予定だったが、未だ電子ピアノで弾いていて一向に上手くならない、

etc。

ここ数日、感染者数の増加率も緩やかになり、現行の行動規制も来週で期限が終わるので、ドイツ政府は来週半ばにも"Exit Plan"について議論する。オーストリアのように段階的に緩和していくのか、念のためあと1-2週間はこのままなのか、マスク着用は義務化されるのか等、大いに注目される。