ドイツ、暮らしてみたらこんなトコ

ドイツ暮らし17年目。今更ながらのあれこれ

ギムナジウム選び(3)公立の学校

今週、住居から一番近い公立のギムナジウムのオープンデイズがあった。

先月は私立のカトリック系女子校を見学して好印象を持ったが、自宅から5分で行ける公立のギムナジウムもまだ捨ててはいなかった。私立の女子校は、志願者の全員に面談を義務づけていて、娘の友人の何人かは既に面談を受けていたが、我が家はまだ面談のアポをとっておらず、公立のオープンデイズを待って最終的な決断をする予定だった。

オープンデイズでは、どの学校でも様々な教科をちょっとずつ体験できるようになっている。

例えば、地理の教室でドイツの州の形をしたパズルをコンピューターでしたり、英語の教室では英単語と絵を組み合わせあたり、化学室では白衣と着て、ちょっとした実験を上級生とした。

その公立は、普通クラスの他に、芸術クラスのMUK(Musik und Kunst、音楽とアート)とEnglish Plus(英語)のクラスがあり、芸術クラスは音楽かアートが、Englishクラスはバイリンガルで英語の授業が普通クラスより1時間多くあるのが特徴だ。

そして、入学申請の際に、実際に楽器の実演や自分の芸術作品を見せる機会が設けられる。テストというほど大袈裟なものではないようだが、どれだけできるのか見たいらしい。

娘は5才から市の音楽学校でヴァイオリンを習っていて、そこでカルテットや簡単なオーケストラを体験しているので、芸術クラスは適しているかも?との思いもあった。

音楽室には、角にグランドピアノがあるだけの何てことない普通の部屋だった。日本の小中学校の音楽室には、赤いスカーフを首に巻いた怖そうなベートーベンやモコモコのカツラを被ったバッハをはじめ世界の巨匠のポートレートが並び、壁に小さな穴が開いた防音室だったっけ。

音楽の先生に聞いてみた。

「うちの子はヴァイオリンを4年半習っています。それぞれ子供は習っている楽器は違うと思いますが、1時間だけ多い授業では具体的に何をするんでしょうか?」

(ヴァイオリンを弾く子とギターを弾く子をどうやって合奏させるのだろうと思っていた。)

そしたら、返答が

「Tonleiter(音階練習)とか…」と、なんともアホ(失礼!)は答えが返ってきた。

思わず苦笑して「音階練習なら、家や音楽学校でもやってますけど・・・」と言ってしまった。

つまり、全然大したことはやっていないということか。失望というより、やっぱりと言う気持ちが大きかった。

別のギムナジウムの音楽クラスで同じ質問をしたときは、

「4年半も習っているのであれば、ある程度弾けるでしょうから、全く弾けない子もいる中で、非常に退屈になってしまいます。音楽クラスではなく、普通のクラスの方が適していると思います」と正直に答えてくれた先生もいた。

音楽クラスの選択は消えた。